
シェアリングエコノミーの情報をお探しですか?
- 最新情報がどれか分からない
- 信頼できるデータが欲しい
- 情報が少なすぎて困っている
私自身がマーケットリサーチャーとしてシェアリングエコノミーの統計情報を探すにあたって非常に苦労したので、どこの統計情報やデータリソースを見れば市場調査の役に立つかという視点で情報(全て日本語)をまとめました。
シェアリングエコノミーそのものに関する情報だけでなく、以下の5つの分類に関する情報ソースも収集しているので、参考にしてください。
- モノ×シェア:フリマアプリやレンタルサービス
- 空間×シェア:ホームシェア・会議室・農地・駐車場・
- スキル×シェア:家事代行、介護、育児、知識、料理
- 移動×シェア:ライドシェアやカーシェア
- お金×シェア:クラウドファンディング
この記事でわかること
- シェアリングエコノミーに関する最新の情報が分かる
- 信頼すべき情報ソースが分かる
- googleよりも無駄なく情報収集できる
※学生の方は、それぞれの情報の「出典」を見るクセをつけていただきたいです。多くの情報で引用されている「出典」をあたることがポイントです。
目次
1.シェアリングエコノミーがわかる情報まとめ3選
シェアリングエコノミーって何?ということが分かる情報ソースをまとめました。
1-1.シェアリングエコノミー協会報告資料|シェアリングエコノミーの概況がざっくり分かる
シェアリングエコノミーの概要について、非常に分かりやすいスライドで説明しています。
17ページ目以降は宣伝なども入っているので、「概要を知りたい」という方は16ページまででOKです。
一般社団法人 シェアリングエコノミー協会 報告資料(2016年5月)
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/johokeizai/bunsan_senryaku_wg/pdf/004_04_00.pdf
こんな人におすすめ
- シェアリングエコノミーについてざっくりとした内容を知りたい
1-2.総務省「情報通信白書」(シェアリングエコノミー)|国内におけるシェアリングエコノミーの概況が分かる
シェアリングエコノミーは総務省管轄なので、現状、最も信頼出来る情報ソースです。情報も2017年7月と比較的新しいので、国内におけるシェアリングエコノミーの動向を知るには最も良い情報ソースです。
総務省「情報通信白書」(シェアリングエコノミー)(2017年7月)
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc112220.html
こんな人におすすめ
- 国内におけるシェアリングエコノミーについてしっかりと内容を理解したい
- 1次情報に近い信頼出来る情報を確認したい
1-3.内閣総合戦略室「シェアリングエコノミー検討会議中間報告書 」|国内におけるシェアリングエコノミーの詳細が分かる
内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室シェアリングエコノミー検討会議における中間報告書を紹介します。
1次情報などはありませんが、国内外におけるシェアリングエコノミーに関わる膨大な資料を国としての視点で丁寧にまとめています。網羅的な情報整理とグレーゾーン解消に向けた取組等、国として取り組まなければいけないことを整理している資料です。74ページもの大作なので、特に学生にはおすすめしますが、忙しいビジネスマンなどにはおすすめできません。
シェアリングエコノミー検討会議中間報告書(2016年11月)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/senmon_bunka/shiearingu/chuukanhoukokusho.pdf
こんな人におすすめ
- 国の視点でシェアリングエコノミーを見てみたい
- 網羅的な情報を把握したい
2.シェアリングエコノミー全体の市場規模まとめ3選
2-1.PWC「シェアリングエコノミー」 |圧倒的な調査力に脱帽
情報は2016年2月なので、若干古いものにはなりますが、一番おすすめできる調査資料で、多くの資料に引用されています。
ただし、36Pにも及ぶ大作なので、読み込むのには非常に時間がかかります。
「リサーチとはここまでしなければならないものなのか・・・」というほどしっかりした調査になりますので、シェアリングエコノミーをしっかりと学びたい全ての方におすすめします。ビジュアルもすばらしいです。
PWC「シェアリングエコノミー」(2016年2月)
https://www.pwc.com/sg/en/publications/assets/the-sharing-economy-jp.pdf
こんな人におすすめ
- 国内外の概況を知りたい
- シェアリングエコノミーをしっかりと学びたい
2-2.矢野経済研究所「シェアリングエコノミー(共有経済)市場調査」|市場規模の情報ソース
矢野経済研究所のリリースは、官公庁や金融機関を初めとして数多く引用されているデータです。
プレスリリース全文(PDF)をDLすると、「シェアリングエコノミー市場規模全体の 2015 年度から 2021 年度の年平均成長率(CAGR)は 18.0%で推移し、2021 年度には 1,070 億 9,000 万円に達すると予測する。」などといった貴重な情報が記載されています。
非常にわかりやすいので、情報源として活用することをおすすめします。
矢野経済研究所「シェアリングエコノミー(共有経済)市場調査」(2017年11月)
https://www.yano.co.jp/press/press.php/001763
こんな人におすすめ
- 国内市場における重要な情報ソースを活用したい
- 現状の市場規模、2021年までの市場規模などを参照したい
2-3.情報通信総合研究所「シェアリングサービスの市場規模」|アンケート調査を元にした推計
NTTグループのシンクタンク「情報通信総合研究所」のリリースも、金融機関を初めとして数多く引用されているデータになります。
プレスリリース全文(PDF)をDLすると、アンケート調査などを元にしていることもあり、年代別情報や潜在的な取引金額などの記載もあり、非常に示唆に富んでいる内容です。
非常にわかりやすいので、情報源として活用することをおすすめします。
情報通信総合研究所「シェアリングサービスの市場規模」(2017年6月)
http://www.icr.co.jp/press/press20170628.html
こんな人におすすめ
- 国内市場における重要な情報ソースを活用したい
- アンケートなどを元にした、年代別情報や潜在ニーズを探りたい
3.モノに関するシェア(モノ×シェア)まとめ2選
モノに関するシェアで代表的なシェアリングサービスはメルカリを初めとするフリマとairCloset(服のレンタルサービス)を初めとするというレンタルです。
3-1.経済産業省「国内電子商取引市場規模(CtoC)」|フリマアプリの市場規模がわかる
現状、「モノ×シェア」の大部分を占めるフリマアプリの最新市場規模が経産省の報告によって説明されています。
2017年時点で4,835億円となりましたが、16年に3,052億円だったことを考えると脅威の伸びです。
経済産業省「国内電子商取引市場規模(CtoC)」(2018年4月)
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20180425001.html
※詳細な報告書はこちらです。
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20180425001-2.pdf
こんな人におすすめ
- 国内におけるフリマアプリ市場を知りたい
- EC取引全体の動きを見たい
3-2.レンタルECは情報源なし
「レンタルEC 市場規模」「サブスクリプション 市場規模」「airCloset 市場規模」などと検索しても情報リソースはありません。恐らく、市場規模が小さすぎるためだと思われます。
代わりに、ファッションレンタルを代表するairClosetの流通総額に関するリリースが分かりやすくまとまっているので、参考にしてください。
「airCloset」が2周年!会員10万人・流通総額37億円を突破(2017年2月)
http://www.meti.go.jp/press/2018/04/20180425001/20180425001.html
こんな人におすすめ
- ファッションEC業界No.1の状況を知りたい
4.個人の所有するスペースを共有するサービス(空間×シェア)情報まとめ3選
空間(スペース)に関するシェアで代表的なシェアリングサービスはAirbnbをはじめとした民泊や施設を中心としたスペースマーケット、駐車場のakippaなどが有名です。
4-1.りそな総研「民泊市場規模、関西が全国トップ りそな総研調べ 」|民泊の市場規模がわかる
ニュース記事になってしまいますが、2017年の国内の民泊市場規模(違法民泊)を16年比約2倍の1251億円と試算しています。
日経新聞「民泊市場規模、関西が全国トップ りそな総研調べ 」(2018年6月)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31547710Y8A600C1LKA000/
※りそな総研のHPで調査したものの、情報は発見できませんでした。
こんな人におすすめ
- 国内の民泊市場規模を知りたい
4-2.Airstair【200超】民泊市場の全貌がわかる「民泊サービス業界マップ 2018」|民泊サービスの全貌の分かりやすいまとめ
Recreator合同会社が提供する「民泊専門メディア Airstair(エアステア)」にてカオスマップなどを公開しています。
※サイトで直接見ていただきたいので敢えてボヤかしたまま掲載しています。
Airstair【200超】民泊市場の全貌がわかる「民泊サービス業界マップ 2018」(2018年5月)
【200超】民泊市場の全貌がわかる「民泊サービス業界マップ 2018」
こんな人におすすめ
- 国内外における民泊サービスの全貌を把握したい
4-3.駐車場シェアの市場規模や情報ソース
残念ながら、駐車場シェアの参考になる情報ソースはあまりありません。
分かりやすくまとめた記事を紹介していきます。ITmediaの記事は直近のソフトバンク参入に関する情報も掲載されています。
- 東洋経済(2014年):「あきっぱ!」が仕掛ける駐車場の低価格化市場規模3.5兆円!Airbnbの駐車場版
- ITmedia(2018年4月):“業界首位”へあと一歩、駐車場シェアサービス「akippa」に迫る脅威
5.個人に家事等の仕事・労働を依頼できるサービス(スキル×シェア)まとめ2選
モノに関するシェアで代表的なシェアリングサービスはメルカリを初めとするフリマとairCloset(服のレンタルサービス)を初めとするというレンタルです。
5-1.三菱UFJリサーチ&コンサルティング「スキルシェアリングサービスの動向整理」|スキルシェアの動向がわかる
スキルシェアの情報が最もわかりやすくまとまっています。実際のインタビューを元にしたデータなので利用価値は非常に大きいです。
市場規模などは載っていないものの、認知や利用状況などが分かる良質なレポートです。この分野のマーケッターにおすすめです。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「スキルシェアリングサービスの動向整理」(2018年3月)
こんな人におすすめ
- 国内におけるスキルシェアの情報を知りたい
- スキルシェアの認知や利用について知りたい
5-2.トラベロコ「スキルシェアカオスマップ」|国内外のスキルシェア業界が一発で分かる
トラベロコという会社が 国内外のスキルシェアサービスを整理したカオスマップを公開しています。
カオスマップはパッと一覧化されているので非常に見やすいですよね。
トラベロコ「スキルシェアカオスマップ」(2018年4月)
https://medium.com/traveloco/skillshare-map-3b0e8bafa829
こんな人におすすめ
- スキルシェア業界を一覧化したい人
6.移動に関するシェア(移動×シェア)まとめ4選
6-1.三井住友銀行「自動車シェアリングの動向」|カーシェア・ライドシェアの動向がわかる
三井住友銀行が、カーシェアやライドシェアの動向をまとめたレポートを出しており、非常に分かりやすくまとまっています。
あくまでも情報理解のために利用していただければと思います。
三井住友銀行「自動車シェアリングの動向」(2017年10月)
http://www.smbc.co.jp/hojin/report/investigationlecture/resources/pdf/3_00_CRSDReport039.pdf
こんな人におすすめ
- 移動×シェアの情報をまとめて理解したい人
6-2.BCG調査「世界のカーシェアリング市場は 2021 年に 47 億ユーロ(約 6,300 億円)、利用者数は 3,500 万人へ」
BCGという世界的に有名なコンサルティング会社が世界のカーシェア市場動向をまとめて公開しています。こちらは、三井住友銀行のレポートにおいても引用されている資料です。
カオスマップはパッと一覧化されているので非常に見やすいですよね。
BCG調査「世界のカーシェアリング市場は 2021 年に 47 億ユーロ(約 6,300 億円)、利用者数は 3,500 万人へ」(2016年2月)
https://medium.com/traveloco/skillshare-map-3b0e8bafa829
こんな人におすすめ
- 世界的なカーシェアの動向を知りたい人
6-3.矢野経済研究所「レンタカー&カーシェアリング市場に関する調査結果2015」|国内のカーシェア動向がわかる
2015年と少し古い情報ソースにはなりますが、矢野経済研究所が2015年に出しているレンタカー&カーシェア市場の調査は2020年までを見通した優れたレポートになっています。
矢野経済研究所「レンタカー&カーシェアリング市場に関する調査結果2015」(2015年8月)
https://www.yano.co.jp/press/press.php/001431
こんな人におすすめ
- 国内におけるカーシェアの動向を知りたい人
6-4.交通エコロジー・モビリティ財団「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移」|国内カーシェアの市場動向がわかる
交通エコロジー・モビリティ財団が毎年更新している「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移」は”カーシェアの今”がリアルタイムで分かる非常に優れた情報ソースです。
交通エコロジー・モビリティ財団「わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移」(2018年5月)
http://www.ecomo.or.jp/environment/carshare/carshare_graph2018.3.html
こんな人におすすめ
- 国内カーシェアのリアルタイムの車両台数・会員数を知りたい
- 過去からの推移を知りたい
7.お金に関するシェア(お金×シェア)まとめ2選
「お金×シェア」=クラウドファンディングという状況だと思いますので、クラウドファンディングの市場規模や調査をまとめた資料を紹介していきたいと思います。
クラウドファンディングは以下の3つに分類され、現状、日本で最も普及しているサービスは「融資型」になります。
- 金銭的リターンのない「寄付型」
- 金銭リターンが伴う「投資型」
- 出資者が利子を得る「融資型」(全体の90%以上)
- プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」
7-1.日本クラウドファンディング協会「2017年度の国内融資型クラウドファンディング市場データ」|国内融資型の市場規模
日本クラウドファンディング協会が国内におけるクラウドファンディングの市場規模をまとめています。正確な資料だとは思いますが、情報ソースがリンク切れになっているので、あくまで参考として利用してください。
日本クラウドファンディング協会「2017年度の国内融資型クラウドファンディング市場データ」(2018年4月)
http://safe-crowdfunding.jp/20180426/
※集計対象
対象期間:2017年4月1日〜2018年3月31日
対象事業者数:22社※1こんな人におすすめ
- 国内融資型の最新の市場規模を確認したい人
7-2.矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査」|最も詳しい情報ソース
矢野経済研究所が2017年に国内クラウドファンディングのレポートを出しており、リリースだけでも多くの資料に引用されている非常に価値のある情報ソースです。
矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査」(2017年9月)
https://www.yano.co.jp/press/press.php/001730
こんな人におすすめ
- 国内クラウドファンディングの情報を知りたい全ての人
8.番外編:シェアリングエコノミーを理解するうえで役に立つ本
「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」|シェアの教典のような本
2010年に発行された本書ですが、いまだにシェアに関するレポートなどでは引用されることが多い本です。
理解を深めたい方は必読の本です。
9.まとめ:シェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーに関する情報ソースをまとめましたが、いかがだったでしょうか?
なかなかまとまった情報が無く、非常に苦労すると思いますので、信頼出来る情報をまとめました。
論文執筆や、シェアリングエコノミーの知見を深める上で参考にしていただけると幸いです。
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